未破裂脳動脈瘤

1.病態・原因
 動脈瘤とは脳の動脈の一部に風船状のふくらみを呈するものです。脳動脈瘤の発生する原因は明らかではありませんが、高血圧や血流動態などの血管壁へのストレスや喫煙、遺伝などによる動脈壁の脆弱性に関連すると考えられています。脳動脈瘤は脳底部の脳主幹動脈(ウイリス輪と呼ばれる)の分岐部に多く発生します。

成人の2~6%に発見されます。頭痛、めまいやその他の症状について脳のMRI検査を受けた際に偶然に発見されたり、あるいは脳ドックを受けて発見されることも多くあります。





 2.自然経過
 未破裂脳動脈瘤の多くは無症候性・無症状ですが、破裂するとくも膜下出血を発症します。また動脈瘤の増大により神経が圧迫されることがあります。脳動脈瘤破裂によりくも膜下出血を発症すると、おおよそ3分2 の方が死亡するか、社会復帰困難な後遺症と残すといった重篤な病態を引き起こします。日本脳神経外科学会の調査では、部位としては前交通動脈と内頸動脈・後交通動脈分岐部破裂しやすく、また7mmを超える動脈瘤、ブレブと呼ばれる動脈瘤壁不整のあるものにリスクが高いとされています。
 その他高血圧、喫煙、多発嚢胞腎、くも膜下出血の既往、家族内発症例もリスクとされております。
 
3.発見された場合
 脳ドックガイドライン2019では、以下の特徴を有する場合に治療の検討が推奨されています。
 1)大きさが5~7mm以上のもの
 2)上記未満であっても、①症候性脳動脈瘤、くも膜下出血の既往のあるもの、②前交通動脈瘤、内頚動脈後交通動脈分岐部動脈瘤、及び椎骨脳底動脈瘤、動脈瘤体部/頚部比が大きいもの、不整形・ブレブを有するもの


4.治療
 一般に以下の治療方針が挙げられます。
 1)積極的に破裂予防治療を行う。これには開頭クリッピング術(図1)と血管内治療によるコイル塞栓術(図2)があります。
 2)経過追跡をして動脈瘤が大きくなったり、形が不整になった場合は手術を考慮する。
  (図1.2は日本脳神経外科学会疾患情報ページより引用) 

(図1)開頭クリッピング術

(図2)血管内コイル塞栓術

当科では発見された脳動脈瘤について、個々の患者さんごとにリスク判定を行い、推奨される適切な治療方針を提示いたします。

 ※ このような症例があった場合、他院への紹介をさせていただいております。

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