慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease; CKD)

1.症状
 CKDの患者さんは腎臓のはたらきがかなり悪くなるまで、多くの場合症状はありません。
初期は、症状があっても軽いむくみや夜間の尿の回数が増えるなど軽い症状です。ただし、蛋白尿が多い場合はネフローゼ症候群と呼ばれ、強いむくみを生じることがあります。中等度以上の障害になると、血液検査で貧血、電解質異常、アシドーシス(血液が酸性になる)などをみとめ、易疲労感、手足がつるなど筋肉の症状が出ます。さらに悪化すると、むくみが強くなったり、吐き気・食欲低下・頭痛などの尿毒症症状が出現し、さらには、肺水腫や不整脈などによって命にかかわる状態になります。


2.原因と病態
 CKDは、加齢、高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症、肥満、慢性腎炎症候群(IgA腎症、膜性腎症等)、ネフローゼ、多発性嚢胞腎やファブリー病などの遺伝性疾患、痛み止めなど薬の副作用、尿路結石など多彩な原因で生じます。


3.診断
 蛋白尿や血尿などの尿検査異常やCTでの腎形態異常でも診断がつきますが、最も重要なのは腎臓の機能を評価することです。以前は血清のクレアチニン値で行われてきましたが、年齢や体格、性別で大きく左右されることから血清クレアチニンと年齢をもとに推定した糸球体濾過量(eGFR)をもちいることが一般的になっています。eGFR<60ml/分/1.73㎡でCKDと診断されます。(表はCKDの重症度分類)

(表:CKDの重症度分類;CKD診療ガイド2012より)

4.治療
 残念ながら、薬などで完治させることはできません。さらに腎機能は、加齢によってもゆっくりと低下していきます。
 CKDが注目されているのは、次の点によります。
① 透析や腎移植が必要な末期腎不全患者のCKDは、リスクが高い。
② CKD患者は、心筋梗塞や脳卒中など心血管疾患になるリスクが高い。
よって、CKD治療の目的は「末期腎不全に至ることを阻止するかその期間を遅らせること」と、心血管疾患の新規発症の抑制や進展阻止にあります。
以上のことから、原因となる疾患の治療に加え、生活習慣の改善(禁煙や肥満の解消など)、食事指導(減塩、たんぱく制限など)、高血圧の治療など、多くの視点から治療を行う必要があります。

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