熱中症の注意時期になりました!                麻酔科 三浦邦久

 東京消防庁管内では、2011-2015年の各6〜9月に、平均4,120人が熱中症(疑い含む)が救急搬送されています。その際、気温34℃・湿度42%から気温25℃・湿度96%の範囲で「気温、湿度が高いほど」救急搬送が多くなっています。また時間帯で最も多いのは13時台で、460人。12時台、13時台、15時台は400人超となっています。
 特筆すべきは「気温が高くなくても、湿度が高いと熱中症で救急搬送されている」という事実です。居室内は窓が開いている場合でも、無風状態である場合、またクーラー・扇風機等も使用していない屋内で、30分以上居れば熱中症になる事があります。(東京消防庁ホームページより)

熱中症対策について

1.暑さに身体を慣らしていく

 暑い日が続くと、体がしだいに暑さに慣れて(暑熱順化)、暑さに強くなります。暑熱順化は、「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる強度で毎日30分程度の運動(ウォーキングなど)を継続することで獲得できます。暑熱順化は運動開始数日後から起こり、2週間程度で完成するといわれています。そのため、日頃からウォーキングなどで汗をかく習慣を身につけて暑熱順化していれば、夏の暑さにも対抗しやすくなり、熱中症にもかかりにくくなります。汗をかかないような季節の段階から、少し早足でウォーキングし、汗をかく機会を増やしていれば、夏の暑さに負けない体をより早く準備できることになります。

2.高温・多湿・直射日光を避ける

 熱中症の原因の一つが、高温・多湿です。屋外では強い日差しを避け、屋内では風通しを良くするなど、高温環境に長時間さらされないようにしましょう。
・服装を工夫する。具体的には襟元を緩める、ゆったりした服を着るなど通気を良くする。
・扇風機、エアコン等により室内温度の調整をする。
・屋外では頭部を守るため帽子や日傘を使用する。

3.水分補給は計画的、かつ、こまめに飲水する

 特に高齢者はのどの渇きを感じにくくなるため、早めに水分補給をしましょう。普段の水分補給は、健康管理上からもお茶や水がよいでしょう。水分補給目的のアルコールは、尿の量を増やし体内の水分を排出してしまうため逆効果です。なお、持病がある方や水分摂取を制限されている方は、夏場の水分補給等について必ず医師に相談しましょう。

4.運動時などは計画的な休憩をする

 学校での体育祭の練習、部活動や試合中などの集団スポーツ中に熱中症が発生していることから、実施する人はもちろんのこと、特に指導者等は熱中症について理解して、計画的な休憩や水分補給など、熱中症を予防するための配慮をしましょう。汗などで失われた水分や塩分をできるだけ早く補給するためには、水だけでなく、スポーツドリンクなどを同時に摂取するのもよいでしょう。また、試合の応援や観戦などでも熱中症が発生していることから、自分は体を動かしていないからと言って注意を怠らないでください。

5.規則正しい生活をする

 夜更かし、深酒、食事を抜くなど不規則な生活により体調不良な状態では、熱中症になる恐れがあります。

6.乗用車等で子供だけにしない

 車内の温度は短時間で高温と化します。少しの間でも、子供を車内に残してはいけません。

熱中症の症状と応急処置(First Aid)

分類 症状 重症度
T めまい、発汗、痙攣、失神 軽症
U 頭痛、嘔吐、倦怠感、集中力や判断力の低下 中等症
V 意識障害、痙攣、血液検査値異常 重症 重症

FIRSTとは?

熱中症の症状があれば、まずFirst(以下の5項目からなる熱中症対策)を行って下さい。

F Fluid(フルード)液体
 まずは水分補給。意識がない場合は、無理に飲ませず119番通報を…。
I Ice(アイス)氷
 衣服を緩め、うちわ等で扇ぎ体を冷やす。冷たいタオルや氷・保冷材を利用する。
R Rest(レスト)休息
 涼しい場所に移動して、休ませる。
S Sign(サイン)兆候
15分程経過したら、症状を確認する。
T Treatment(トリートメント)治療
症状が改善しなければ119番通報し、病院へ搬送する。