Cardiovascular Medicine
循環器内科
Introduction
診療科紹介
当科の常勤医師は4名で、2007年卒業以上の熟練スタッフであり、全員が日本循環器学会専門医と総合内科専門医の2つの資格を持ち、地域密着型病院の医師としての使命を果たすべく、日々、努めております。
近年、循環器領域の治療は急速に進歩しており、当科スタッフも、常に新たな知識を取り入れる努力をし、必要な時には高次機能病院とも提携し、地域の患者さまに、時代に即した最良の医療を提供させていただいております。お困りのことがございましたら、われわれに、ご相談いただければ幸いです。
▶外来診療について
常勤4名のほか、現・順天堂大学名誉教授の加納達二先生と、前・当院副院長兼循環器内科部長であった田宮栄治先生にご協力をいただき、豊富な知識を持った熟練のスタッフで、外来診療にあたらせていただいております。しかし、当院単独では治療困難な難しい病態の患者さまが受診されることもあり、その場合には、順天堂大学医学部附属順天堂医院をはじめとした様々な高次機能病院と連携をとり、それらの病院と併診していただきながら、治療にあたらせていただいております。
▶侵襲的検査・治療について
(対象となる病気は、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)・慢性下肢動脈閉塞症・一部の不整脈・徐脈性心疾患)当科では、「心臓血管および下肢血管に対するカテーテル検査・治療」や「カテーテルアブレーション」、「恒久的ペースメーカー留置」を行なっております。
- 「狭心症・心筋梗塞」という心臓の血管(=冠動脈)が狭窄したり閉塞したりする病気に対し、心臓血管カテーテル検査・治療を行ないます。
- 「慢性下肢動脈閉塞症」という足の血管が狭窄したり閉塞してりする病気に対し、下肢血管カテーテル検査・治療を行ないます。
- 「不整脈」(対象となるのは、後述する一部の不整脈)に対して、カテーテルアブレーションという治療を行ないます。
- 心拍数が高度に遅くなる心臓病で、身体に支障を来す症状を併発した場合には、恒久的ペースメーカー留置を行ないます。
心臓血管カテーテル検査・治療については、順天堂大学循環器内科・准教授 岡崎真也先生のご指導と、当科スタッフの努力により、2022年に「日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)研修関連施設」の認定を受けることができました。これにより、当院でもdebulking deviceなどが使用可能となり、今まで当院で治療が困難であった難しい冠動脈病変へのカテーテル治療(PCI)も可能となりました。さらに、2023年には「日本脈管学会認定研修指定施設」の認定を取得しております。慢性下肢動脈閉塞症(ASO)の患者さまも多く、下肢血管に対するカテーテル治療(PTA)も積極的に行なっております。
最近、不整脈にするカテーテルアブレーションも、循環器領域の重要な治療の一つとなっています。高齢化社会になり急増している心房細動や、発作性上室性頻拍、心室性期外収縮などの不整脈に対してアブレーションを行なって不整脈を止めることにより、「抗不整脈薬の内服を中止することができる」「自覚症状(労作時の息切れ・胸部不快など)や心不全徴候が軽減する」などのメリットが生じます。
▶非侵襲的検査について
当科で行なっている主な非侵襲的検査を以下になります。
ABI(=ASOのスクリーニングのために手足の血圧を測定する検査)
心臓超音波検査 ・ 下肢静脈超音波検査
冠動脈CT
埋め込み型心電計
▶非侵襲的治療について (対象になる主な病気は、心不全・高血圧)
薬物療法がメインとなる循環器病のうち、現在、最も多いのは心不全です。心不全は年齢を重ねるとともに増加する病気であり、超高齢化社会となった日本は、心不全パンデミックの状態に陥りました。心不全は、様々な角度からケアをしないと再発を繰り返して死に至る病気であり、医師のみならず、看護師・薬剤師・栄養士・リハビリ療法士など多職種でのチーム介入が有効とされております。当院でも2023年7月から心不全チームを発足させ、チームで心不全の治療にあたっています。また、2024年4月からは、入院中の心臓リハビリテーションも実施できるようになりました。
心不全を発症する原因は複数ありますが、その原因として、最近、特に重要視されているのが高血圧です。高血圧は万病の元で、若い頃から気を付けなければいけない病気です。当科でしばしば経験するのは、若い頃から検診で高血圧を指摘され、治療を勧められても「無症状だから」と長年放置した結果、40歳代後半以降になって心不全を発症して苦しくなり受診される、というケースです。「高血圧は心不全への第一歩」と言われており、高血圧がみつかったら、まずは専門家にご相談頂くことが大切であり、当科でもご相談を受けております。
Specialties
主な対象疾患
- 不整脈
- 狭心症・心筋梗塞
- 慢性下肢動脈閉塞症
- 心不全
- 高血圧
Specialties
当科の特色、得意分野
当科は、少数精鋭のスタッフで運営しており、「主な対象疾患」で示したとおり、循環器内科分野の主要な疾患に対応することが可能です。
また、当科は、日常臨床のほか、学術的な活動も積極的に行なっており、現場で経験した症例報告を中心に学会発表を行っております。ここ数年、循環器分野は薬剤やカテーテル治療の進歩が急激であり、それに伴い地域レベルでの勉強会も盛んに行なわれるようになりました。当科の医師たちも、WEB講演会(勉強会)に参加して自己研鑽に励むとともに、近隣の中核病院の先生方と意見を交わしたり、地域の開業医の先生方への新しい知識の提供を行なったりし、地域連携をより強固にする活動も行なっております。
Staff
診療スタッフ
山下 晴世 (やました はるよ)
役職
循環器内科部長
出身校
琉球大学(1995年卒業)
専門分野
循環器内科一般、心不全
資格
- 医学博士
- 日本循環器学会専門医
- 日本内科学会総合内科専門医・指導医・認定医
- 日本リハビリテーション医学会認定臨床医
- 日本医師会認定産業医
- 順天堂大学循環器内科非常勤講師
高部 智哲 (たかべ ともさと)
役職
循環器内科部長
出身校
弘前大学(2001年卒業)
専門分野
循環器内科一般、不整脈
資格
- 医学博士
- 日本循環器学会専門医
- 日本内科学会総合内科専門医
- 日本心血管インターベンション治療学会認定医
松本 貴宏 (まつもと たかひろ)
役職
循環器内科副部長
出身校
広島大学(2006年卒業)
専門分野
虚血性心疾患、末梢血管疾患
資格
- 医学博士
- 日本内科学会認定医
- 日本内科学会総合内科専門医・指導医・認定医
- 日本循環器学会専門医
- 日本脈管学会脈管専門医
- 日本心血管インターベンション治療学会専門医
梶原 淳 (かじはら じゅん)
役職
循環器内科医師
出身校
浜松医科大学(2007年卒業)
専門分野
循環器内科一般
資格
- 日本内科学会総合内科専門医・指導医・認知医
- 日本循環器学会専門医
- 日本心血管インターベンション治療学会認定医
- 日本救急医学会認定ICLS・BLSコースインストラクター
加納 達二 (かのう たつじ)
役職
顧問(非常勤)
出身校
順天堂大大学院(1972年卒業)
専門分野
循環器内科
資格
- 医学博士
- 順天堂大学名誉教授
- 日本循環器学会専門医
- 日本内科学会認定医
- 日本心臓病学会特別正会員(FJCC)
- 日本心不全学会特別会員
- 日本循環器学会地方会評議員
- 日本医師会認定産業医
田宮 栄治 (たみや えいじ)
役職
顧問(非常勤)
出身校
広島大学(1982年卒業)
専門分野
心臓のX線CT、循環器内科一般、心臓カテーテル検査(診断と治療)
資格
- 日本循環器学会専門医
- 日本内科学会認定医
- 日本東洋医学会専門医
- 日本心臓病学会特別正会員(FJCC)
- International Journal of Angiology Editorial Board
- 日本循環器学会地方会評議員
Achievement
実績
手術名・検査名 | 2023年 |
---|---|
マスター負荷心電図 | 627 |
ホルター心電図 | 521 |
植え込み型心電計 | 10 |
経胸壁心エコー | 2160 |
ABI | 1261 |
冠動脈CT | 259 |
大血管CT | 89 |
大動脈弓~分枝部(単純) | 27 |
大動脈弓~分枝部(造影) | 5 |
肺動脈+下肢静脈 | 50 |
下肢動脈 | 7 |
冠動脈造影検査(PCIは含まず) | 214 |
緊急PCI件数(患者単位) | 8 |
待機的PCI総件数(患者単位) | 74 |
POBA件数 | 7 |
DES留置件数 | 75 |
急性心筋梗塞に対する緊急PCI件数 | 5 |
PTA件数(患者単位) | 44 |
IABP件数 | 2 |
ペースメーカー植え込み(新規) | 31 |
ペースメーカー植え込み(交換) | 15 |
カテーテルアブレーション | 112 |
※ PCI(percutaneous transluminal angioplasty) … 経皮的冠動脈形成術
※ POBA(percutaneous old balloon angioplasty) … 経皮的古典的バルーン血管形成術
※ DES(drug eluting stent) … 薬剤溶出性ステント
※ AMI(acute myocardial infarction) … 急性心筋梗塞
※ PTA(percutaneous transluminal angioplasty) … 経皮経管的血管形成術
※ IABP(intra-aortic balloon pumping) … 大動脈内バルーンパンピング